建物の高断熱化とセットで計画しなくてはいけないのが、高気密化。どんなに高性能な断熱材を施工しても、性能は必要部分まで施工しなくては発揮されません。

ボード状断熱材ならば断熱材同士のジョイント部分をテープ処理して気密化します。繊維系断熱材では室内側で気密シート処理が必要になります。

写真は気密処理後の現場です。シート同士の重ねしろは木材下地のある部分で重ね、専用テープ貼りし、さらに壁石膏ボードを施工します。現在、この充填断熱+外部付加断熱を施し、壁210mm断熱を標準施工としています。

工法的には充填断熱と外断熱を組み合わせたような納まりです。どちらかの断熱方法でいいのでは?というところですが、充填断熱のみではUA値(外皮平均熱還流率※値が小さいほど断熱性能が高い)をよくすることができません。柱の間に断熱しますから、105mmの断熱材施工空間しかないからです。

ではボード状断熱材100mmのみ施工すれば?この場合、GW150mm断熱性能相当となりますが、そこが上限値になります。あと50mm追加し、150mm施工できればGW210mm同等性能となりますが、留め付ける為のビス長さが180mm以上必要になります。

柱間の空間を利用できるため、例えば壁厚収納をふんだんに取り入れたりと利点はありますが新築では採用していません。ただ、既存住宅の断熱改修では優れた断熱工法になります。例えば内壁を解体せずに高断熱化することが出来るからです。

さて、こうした断熱性能は理論値で算出できますが(断熱材種、厚み、面積等で)、気密性能は算出できません。実際に測定器を用い実測する必要があります。

気密測定では、建物の空気を外に排出して室内を差圧状態にします。外の気圧との内外差、温度差を測定器が検知し建物にどの程度隙間があるのかを算出します。一般住宅では7㎝2/㎡※平方センチと言われています。1㎡あたり2.6㎝角の隙間が無数にある状態です。高気密の定義として1㎝2/㎡以下である必要がありますが、気密処理された現場では平均で0.5㎝2/㎡の数値が出ます。

ここまでの気密性能があると断熱材はカタログ値通りの性能を発揮し、また換気も排気口から排出され、給気口からは排出分空気が入るようになります。高断熱高気密化することで、はじめて計画換気ができるようになります。

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