住宅構造部分の外力に対して耐える部位の総称が耐力壁です。そしてこれらの性能を客観的に表示するのが「日本住宅性能表示基準」です。9項目に分かれており、等級が高くなるほど良い性能表示となります。ですが、すべての等級が高いから良い住宅であるとは限りません。

例えばランクの高さだけを追求していくと、断熱性能や構造安全性と採光性等は矛盾してしまう場合も考えられるからです。構造耐震性や安全性を重視すると耐力壁で覆われた建物が有利ですが、通気や採光性は劣るようになります。

上棟時の現場写真。構造躯体を所定金物で接合します。

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その後、建物外皮へ構造用合板を施工します。壁倍率が2.5倍(通常片筋交い倍率は2倍)の耐力壁で建物全体を覆うわけです。

耐震等級の性能表示基準とは、地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを表します。等級1が建築基準法の基準です。極めて稀に発生する地震による力に対して倒壊、崩壊等しない程度とされ、補足解説として関東大震災の小田原で観測された揺れに相当する震度6強から7程度の揺れに対して倒壊、崩壊等しないものを指します。この等級1を基準に、さらに1.25倍の力に対して損傷しない程度の性能を等級2、1.5倍の力に対して損傷しない程度の性能を等級3としています。

法律上は等級1を守れば、そこからさらに等級2、3は任意なため、建てる人が等級を決めることになります。ですから初めに「耐震等級3」の家づくりを希望される場合は、壁を増やす必要があるため、プランより耐力壁ありきの設計が求められます。

最も重要な事は施工側が、建築基準法を厳守し正しく施工することです。なぜなら耐力壁に求められる材料は材種のみならず、釘種類、釘打ち間隔まで求められるからです。家族構成や様々な条件をふまえて、どんな生活がしたのかを考えて、バランスの取れた性能等級を求めていただければと思います。

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