200㎜断熱を造る「躯体編」
躯体(壁)の断熱を強化するのが、より高断熱化とする新しい技術と言えるかもしれません。
断熱材そのものの性能値はほぼこれ以上の向上は見込めません。
出てはいますが、これまで同等の断熱性能をより薄くして実現した類です。
よりよい断熱材を採用するコストよりも、今ある材料をより厚く使うことで断熱性能を上げていきます。

「上棟後、全景」
躯体を覆うベニヤ板は?
これは構造用合板と呼ばれる、耐力壁です。躯体全面をこの面材で覆い、全面が耐力壁として作用するようにします。

「付加断熱下地を作る」
通常の建築では、躯体に貼った構造用合板に透湿防水シートを貼り、外壁下地材を打って外壁施工すれば終わりです。
が・・・
付加断熱住宅はここからが違います!
この面材の上に、断熱材を入れるためのポケット(付加断熱下地)をつくります。
柱と柱の間には断熱材を充填し、柱の外側には付加断熱をすることで、壁の合計は200㎜の断熱層が完成します。
追伸
便宜上、200㎜といっていますが、実は柱小径は105㎜でして、その厚みぴったりの105㎜高性能グラスウールを施工しています。
105㎜+105㎜ですので・・・正確には210㎜断熱施工しているのですが、数字がすっきりしないので200㎜断熱と表記しています(笑)

「付加断熱下地施工中」
途中、縦に下地を入れているのは下がり防止の為です。

「付加断熱100㎜施工」
躯体外部に作ったポケットに高性能グラスウール16k100㎜を施工します。あっ!正確には105㎜です(笑)

「そのころ、室内側は?」
躯体外部から断熱材を充填しているころ、室内側でも断熱施工が行われています。これで壁の200㎜断熱化となります。あっ!正確には210㎜ですが便宜上・・・(以下割愛)

「断熱施工後」
室内側に防湿シートを貼り、建物の気密化をします。
また外部は透湿防水シート貼をし、壁内湿度をコントロールします。
写真は室内防湿シート貼りを終え、石膏ボード貼を行う様子です。
断熱性能的に非常に高いレベルの工事を行っているわけですが、施工した当の本人である大工さんは、いつものようにそっけないです(笑)
初めての付加断熱じゃないからでしょうか?
でもその分、心強いです!

「見えない壁の中」
高断熱高気密住宅を施工していて思うのは、これらがすべて壁の中や基礎など目に見えない工事であることです。
目には見えませんので、これは体感してもらうしかありません。
写真は石膏ボードが貼られ、パテ処理を終えた様子。この後、クロス貼り・器具付けと工事が進みます。